2018年9月23日日曜日

エジプト日本学校開校

エジプト日本学校を9月23日(日)から予定通り開くので、そのための新任教員研修を行う、ということで休み返上で先週から1週間、研修会が行なわれました。つまり、やっと校長、教員の採用が決まったというわけです。

昨日やっと、促成栽培的ですが、日本式学校教育についてのレクチャーとワークショップが無事終わりホッとしたところです。
と言いつつ、生徒の合否決定は、新教員スタッフによる面接試験を課すことになっているので、合格発表はまだ先の話で、生徒が実際どれだけ集まるのかは不明です。
しかも、生徒の最終的な入学者数次第で、今回採用が決まったはずの教員を増員したり、不採用にしたりするというのですからこれまた凄い話です。

また、2日目の会議の途中、先生方から労働条件と給料の質問が出て、それに対する教育省の回答に納得がいかない、と大騒ぎになり、多数の先生が研修をボイコットし会議が途中流会となってしまいました。

またしても開校が中止になるのではないかという事態となりやや焦りましたが、その日の夜中、急遽、教育副大臣が研修会場を訪れ,先生方の説得に当たり、給与一部改善の提案を行うなどして事態は一応収拾したようです。が、なかなか波乱含みです。

その一触即発の事態は、当日のマスコミにも報道されてしまうほどでした。https://www.elfagr.com/3251612


こういう火事場騒ぎ的な学校の開校が上手くいくわけがないと思うのですが、インシャアッラー、なるようにしかならない、と最近あまり驚かなくなりました。実際やってみて試行錯誤しながら軌道修正していくしかないと思うようになりました。





それは、一見矛盾しているかも知れませんが、教育省に熱く抗議をして研修をボイコットした先生方も、そのほとんどは、エジプト全土から集まった選り抜きの優秀な先生方で、実に熱心で、新しい教育改革に向けた理想や夢に溢れた先生方ばかりだということが、この1週間ばかり生活を共にした中で肌で感じることができたからです。




さて、案の定、まさかとは思いましたが、このような状況で、明日、日本式学校を開校するという大統領声明が発表されました。

The new academic year (2018-2019) of the Egyptian National education system will start next week in the country.

El-Sisi also inaugurated a number of educational projects and new schools in several governorates, including a Japanese school that will adopt the Japanese education system Tokkatsu for the first time in Egypt. 

The Tokkatsu education system focuses on achieving a balanced development of intellect, virtue and body by ensuring academic competence, rich emotions and healthy physical development. 
According to Shawky, who spoke at the event, the Japanese schools in the governorates were ready to launch and that those schools accepted more than 13,000 students across five types of schools.
"The goal of the new educational system is to build a new, different Egyptian generation," Shawky said. 

2018年9月9日日曜日

Egypt-Japan School の開校、またもや延期

エジプト教育省
今週、エジプトに新しい日本式の学校が40数校オープンする予定でしたが、こんな突貫工事じゃ9月上旬開校は無理でしょう・・・と内心思っていました。

案の定、9月下旬に延期、と突然発表されました。
(・・・祝日の振替日を5日前に政府発表で突然変更するお国柄です。)
また、この国の豪腕なところは、ある意味子どものためを思ってなのか、一般の公立学校の新学期もそれに合わせて全国一斉に延期を決めたことです。

開校まであと1ヶ月を切っていた段階で、指導者研修は継続して行ってはいたものの、校長も、教員もまだ決まっていないし、そもそも生徒募集も始まっていないという状況でしたから、延期という知らせは、別に驚きません。むしろ当然だと思っていました。

しかしその決断が、あまりに遅すぎます。
しかも、現状では9月下旬というのも怪しい気がするし、無理があります。と言うのは、相変わらず今日に至ってもまだ校長・教員人事は決まっていないし、生徒募集もまだという状態だからです。これでどうして再来週、新規開設校をオープンできる根拠があるのか、不思議でなりません。

行事やイベントの準備が2日前まで全く進んでいなくても、前日と当日になって、ギリギリ帳尻を合わせる、というエジプト人の姿を何度も見てきているので、その瞬発力や適応能力・調整能力の高さに、普段から大変驚き感心していますが、学校建設とそれを一緒にされてはたまりません。しかも未知のプロジェクトを立ち上げようというのですから、日本人の目から見れば、あまりにも雑な、無計画、無責任な対応に思えます。ハード面の管理、人事、広報等については全て教育省が管理し、日本側は「特別活動に関わる教育内容」以外は一切タッチしないことから、余計イライラが募ります。

右側別館:教育プロジェクトチーム入居
とは言え、あまり責める気になれないのもまた事実です。チームを組んでいるエジプト人指導者たちは、こんな事態に至っても、変わらずとても精力的で、建設的で、なおかつ、とても明るく、非常に楽観的なのです。時間や約束事にめちゃくちゃルーズですが・・・(^^)

シャウキー教育大臣
そして、新しい教育改革を呼びかけ担っている教育大臣は、元カイロ・アメリカン大学の教授で元ユネスコ・カイロ支局長です。実務経験はなく、まだ組織的混乱を上手に制御できていないように見えますが、彼の発するコメントの一つ一つが、非常に理知的で説得力があり、かつOECDやユネスコの教育理念を真正面に掲げた、21世紀の世界基準を新たに切り拓こうとする夢や意志に溢れた理想的でダイナミックもので、聞いていてワクワクするほど楽しくなります。

正直、日本のこの間の歴代文科大臣とは、比較するのも恥ずかしくなるほど魅力的に映ります。