まだまだ日中は35度前後の気温で暑いのですが、街中の路地には必ずと言って良いほど物売りのお婆さんが座っています。大した物を売っているわけではないのです。
大体、ポケット・ティッシュか、タバコです。
あまり買う人は見かけません。それでも、朝から日が沈むまで、じっとしたまま、ずーっと座っています。
何か定位置があるみたいです。
さすがに暑いのでしょう。ペットボトルの水を時々飲んでいるようです。
目に入るとちょっと気になってしまうので、なるべく目を合わせないように、いつもは素通りしています。
ところが、たまたま前を歩いていた人が、いきなりしゃがみ込み、ティッシュを受け取らずに、1ポンドコインを渡してそのまま通り過ぎました。
ああ、これが、喜捨(ザカート)なんだなあ、と、何もなかったように淡々と先を急ぐその人の後ろ姿を見て、妙に感動してしまいました。