エジプトの学校の夏休みは、4月の下旬から始まる学年末テスト(約3週間)を終えれば、9月の中旬まで、4ヶ月以上にもわたります。
子どもたちにとっては一見嬉しいのかもしれませんが、小さい子を持つ親は大変だろうなと思います。学校の先生方も、夏休みが長いので、新学期が始まると、生徒は覚えたことを全部忘れてしまい、ゼロからまたやり直すのだ、と嘆いています。
8月に入り、高3の試験最終処理と大学入学のマッチング作業で配属先が忙しくなり、私も、長い夏休みを取ることにしました。
「夏休み」ということばは、今となると郷愁と甘酸っぱい思い出がひっそり甦るのですが、エジプトにいると、強烈な太陽と眩しい光を全身で受け止める、生の饗宴、生のエネルギーのぶつかり合いを感じます。
地中海や紅海のリゾート地に足を伸ばすと、日常の世界とは無縁の豪奢な空間を満喫できるのですが、だからこそその瞬間、こんなことしていて良いのだろうかと、貧困と殺戮、不平等な世界に甘んじ蠢く人たちへの申し訳なさが頭をもたげ、 一瞬落ちつか無さを感じたりします。
贅沢を楽しむというのにも、心の準備と、自分への言い聞かせが必要な、不条理な世界です。
目映い光に打たれていると、異邦人のムルソーが殺人を犯すまでの設定が作品として必要だったのだろうか、とか、ニーチェならどのような反時代的考察をするだろうか、などと、どうでも良いことが頭をよぎり、雑念を払い、光に身を委ねるまでに年相応?の時間がかかります。
とか何とか言いつつ、オールインクルーシブのリゾートホテルで時間を気にせず何もしないで過ごす日々を与えられていることに感謝です。
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