中学1年物理の授業 |
高校1年歴史の授業(新人教員とベテラン教員とのTT) |
中学1年フランス語の授業 |
中学校・高校の授業を観察してきました。先生方はどの先生も身振り手振り激しく、大きな声で、しかも早口で熱弁を振るっていました。なかなか圧倒されます。生徒も、廊下挟んだ隣で体育の授業の声が聞こえたり、私を含む何人もの教育局の参観者がいる中で、静かに集中して授業に参加していました。機関銃のような矢継ぎ早の質問にも、反応素早く、挙手をしてよく答えていました。先生方も生徒もまじめで一生懸命だなあと、感激しました。
何より、先生方の権威というのがとても保たれていることを10数分間観察しただけでも実感することができました。日本では最近久しくお目にかかったことのない光景だったものですからとても新鮮で感動しました。
授業後に「助言」を求められましたが、上記の感想とお礼を述べた後、一言だけ、気になった点をお話ししました。
それは、非常にテンポよい授業ではあるけれど、生徒全員が本当にわかっているのか、別解や違う考えや疑問はないのか、もっと考える時間や、疑問を出し合い話し合う時間も必要ではないか、ということです。
中1の物理の授業で、いくつかの原子の陽子の数を次から次へと答えさせていましたが、全体の単元の流れをすべて見たわけではないので即断は出来ませんが、それを答えさせる趣旨がその場では見えてきませんでした。歴史の時間の矢継ぎ早のQ&Aも、知識の確認の時間だったかもしれませんが、正解が出れば「良し、はい次」という感じだったので、天邪鬼な私としては、ホントかよ~と、つい突っ込みを入れたくなりました。
中1のフランス語の授業は驚きました。高1ならまだわかるのですが。この学校では、小学校1年からアラビア語と英語、中1からフランス語とドイツ語の授業があるそうです。他の教科の授業も、日本と比べても難易度の高い内容を扱っているので、生徒は本当に理解して消化しているのか気になりました。
「日本の同学年の生徒より少し難しいことをやっている」と話したところ、「どうしてだ、日本は世界でトップの科学技術があるではないか」と逆に質問されました。それはそうなのかもしれないけれど・・・現実は~・・・ということで、ちょっとお茶を濁してしまいました。
日本人教師・学校管理職としての目線で感じたままを発言する、というフリ-ハンドを僭越ながら先方からいただいてはいるのですが、もう少し様子を見て、気心知れてからもう少し踏み込んでいこうと思っています。
というわけで、教育局に戻って、教育次長(私のカウンターパートナー)に授業見学の報告をしたところ、「私も今“critical thinking”に注目している。是非、今度 “critical thinking” についてモデル授業をやってくれ」と逆に依頼されてしまいました。「オイオイ、もう少し落ち着くまで待ってヨ~」、と思いながら、ボランティアとは言いつつ、責任の重大さをヒシヒシと感じる今日この頃です。
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