街中の文房具屋さん |
ところが先日、たまたま街のど真ん中、住宅街の一角に、絵はがきも売っている文房具屋さんを見つけました。暗くて古ぼけた小さな店構えなので、今まで全く気づかず素通りしていました。
品揃えもまあまあで、カード類も現代的なものや可愛らしい装飾ものまで売っていました。併せて古代エジプトや風景画の絵はがきもたくさんおいてあります。
1枚の値段を聞くと、なんと、1ポンド(約6円)です。ほんとにエジプトの商品価格はどうなってるんだ!と思いました。お土産屋の30分の1から50分の1の値段です。
日本でも観光地価格というのはありますが、せいぜい高くても1.5倍というところでしょう。
外国人と見れば、どこまでも高く売りつけようという魂胆が見え見えの観光地やお土産屋は、ほんとにエジプトのイメージを台無しにしていると思います。まあそれだけ生存競争が激しいのは分かるのですが。
で、安かったので、同じ種類のはがきを60枚買いました。枚数を自分で2回確かめてから、レジのところに持って行き、「全部で60枚」と言ったところ、店主はまず、ティッシュペーパーをくれて「手を拭け」と言うのです。はがきの陳列ケースが砂埃をかぶっていたため、枚数を数えていたときに、手が埃だらけになったためです。
で、「ありがとう」と言ったところ、「60ポンド」と言って、そのまま袋に入れて手渡してくれました。「えっ、枚数は数えないのか?」と聞くと、「いや、いい!」と言ってニコッと微笑んできました。え~、ほんとに良いの~?確認するのが決まりでしょう?
実は2回目数えたときに1枚多かったのでそれを取り除いたのですが、何か逆にプレッシャーを感じましたね。信頼と正義に応えないと、という。
店主も、数えている客を見て、そのまま客の言い分を信用したということでしょう。売り手と買い手の合意が基本、という商売原則からいえば特に驚くことではないのでしょうが、それにしても、ちょっとこのお店のご主人には感動してしまいました。
こんなお店のご主人と、その他大勢のぼったくりのエジプト商売人と、どっちが本当のエジプト人なんでしょうか?
・・・ともあれ、エジプトらしいのか、エジプトらしくないのか、愛すべきお店でした。
ちなみに、というか、やっぱりというべきか、ここのご主人はコプト教徒の方だそうです。そうは聞いていたのですが、最初、日曜日に買いに行ったら、やはり定休日でした。
それで納得しました。イスラム教徒だと金曜が礼拝のための休日ですから。
0 件のコメント:
コメントを投稿