2017年3月31日金曜日

青空ひとりきり


通称「オペラハウス」 : 国立文化センターとして、コンサートホール、博物館、ギャラリー、図書館、フィルムセンター・映画館、カフェテリア等を擁する大規模文化複合施設                 【右奥に見えるのが、カイロタワー】


昼間歩いていると、ただそれだけで汗が出るような季節になりました。砂っぽい、どんよりとした空も、珍しく青空が広がっています。

天気予報によると、いよいよ来週から最高気温が30度を超える日が続くそうです。今からこうだと、暑さに弱い人間として、はたしてエジプトの夏を乗り越えられるのか心配です。

日本の「ピア」のようなものがないので、音楽会等の情報を仕入れに、オペラハウスを訪れました。ものすごく広い敷地にゆったりと大きな施設が配置されています。30年前に、JICAの援助で建設されたのだそうです。この広大な施設は、札幌の中島公園の1角に建つコンサートホール「キタラ」のような感じです。

久しぶりの開放感とくつろぎを感じるのは何故か?青空のせいだけではなく、ゴミの散乱していない空間に久々に巡り会えたから、ということに気づきました。

目の前に自然界とは異質のゴミが1つ落ちているだけで、自然と人間との一体感や調和が崩され、素直に没入することができなくなるという繊細な感情は、別に日本人だけが育んできた感性ではないと                                        思うのですが・・・ 

学校ミュージアム


校長から、ミュージアムを見せたいということで案内してもらいました。学校に付属博物館が併設してあるのはすごいな、と思いつつ付いていくと、それは、校舎の隅の最上階にありました。
   
先入観のイメージとは少し違いましたが、確かに1つの立派なミュージアムでした。
手作りのゲートと、街灯と花壇を模した入口の中は、リサイクル品の活用で作った装飾品や小物・雑貨類の数々でした。

ほとんど、紙や段ボール、瓶や缶、CDなどを加工して作った物です。中には、十分商品として店で販売できるような、綺麗で、実用性があり、完成度の高いものもありました。

なかなか良く出来ているので、ただ学校の片隅に飾って展示するだけではなく、バザーに出したり、保護者や地域の人に見に来てもらったり、販売したりしてはどうかと思います。
  
学校予算が少なく校長が自らポケットマネーで消耗品を揃えたり、広い校庭の手入れをしていると聞きましたから、尚更です。 

学校バザーを開いて、その売り上げ金で生徒用の消耗品や活動費に充ててはどうかと提案した所、それは出来ないという返事でした。 あくまで学校の中だけだと言うのです。
 
せっかく生徒がここまで一生懸命作っているのだから、まあ、それでミュージアムということなのだろうけれども、展示発表会とか学校祭とか、全校生徒や保護者や地域の人を対象に1年に1回位開催すれば良いのにと、ますます強く思います。

そういう学校文化がないということは聞いてはいますが、生徒にしても張り合いが出るだろうし、親だって子どもの活動を見たいのではないでしょうかね。
 
それにしても、どの学校を訪れても生徒は素直で真面目で一生懸命で、屈託のない笑顔に満ちていて、いつも心が洗われます。(まだそういう学校だけしか行ってないのかもしれないが)

先生方との信頼関係も良好で和やかで、日本の、困難を抱える学校の現実から比べると、とても羨ましく思います。

2017年3月29日水曜日

幼稚園の発表会

   エジプトの幼稚園や小学校では、盛んにナーサリーライムのような唱和やリトミック体操をふんだんに取り入れているようです。                                             この日は、朝から幼稚園のどのクラスでも歌や踊りの練習をしていました。先生方も随分熱が入っているので、どこかで発表するのか、と聞いてみると、来週、発表会があるのだそうです。                                   この間、エジプトには学芸会とか学校祭とかいう行事はないと聞いていましたから、それで現在、特別活動の導入のお手伝いをしに各学校を回っているわけです。
 
 なんだやってるじゃないの、どこかで誤解があって正しく伝わってないだけではなかろうかと思い、親も沢山来るのか、と聞いた所、いや親は呼んでない、教育省の関係者が見に来るのだ、という返事でした。

 これには少し、え~っ?と思いました。日頃の活動や勉強の成果を見せる相手が、親とか地域の住民とかではなく、教育省だというのです。もちろん、教育関係者を呼ぶのは大事ですが、まず、メインは、同じ学校に通う子どもたちや先生、そして、保護者や家族、地域の住民が先ではないかと思うのです。

 それはさておき、子どもたちは一生懸命、元気よく、そして楽しそうに歌い踊っていました。 

 


          
            長いスカートを回しながら踊る、エジプトの民族舞踊タンヌーラを、
            代表して踊るために、一生懸命練習する男の子




2017年3月25日土曜日

カイロの朝焼け

ハムシーンとかアムシールとかいう砂嵐の季節が、これから時々訪れるそうです。
 先週の夜中、2日間ほど、台風のような強風で、窓がかなり激しくガタガタ音を立てていました。ひょっとすると、それが、ハムシーンなのかもしれません。
 
 次の朝、机の上や、床が、白っぽい粉のような砂で、ジャリジャリしていました。隙間風が入る建て付けの悪いアパートですが、それでも、どこを通って砂が吹き込むのか分かりません。思ったより粒が細かいので、空気の中に混じって浮遊しているのだと思います。
 
 家の中すべてを掃除機にかけると、何と1回でゴミための5分の2ほどに砂がたまりました。これではたまりませんというやつで、健康にもよろしくありません。エジプト生活のオリエンテーションで、パソコン類は使用しないときには必ずカバーを掛けてください、と言われたのも納得がいきました。
 
 空気清浄機を買おうと思って店をいろいろ探してはいますが、今のところ、どこの店にも置いてません。他の皆さん大丈夫なのでしょうか。辺り一面の砂埃と、充満する車の排気ガス、その上、喫煙者がものすごく多い国です。彼らの健康は大丈夫なのだろうかと、人ごとながら心配します。
 
 
 その砂埃のせいか、それとも朝靄か、ちょっと絵になる幻想的な朝焼けが見られました。
 
 しかし、ナイル河畔のオアシス地帯なので緑は多いのですが、セピア色の写真というか、どれも砂埃に覆われて白くくすんでいます。そして、どこか殺風景で、街中とはいえ、家の瓦礫も放置されたままなので、余計に殺伐とした印象を与えます。エジプト5000年の悠久の歴史を感じます。

 

2017年3月24日金曜日

カイロに咲く花

 朝晩はまだ寒い(10度台前半)のですが、日中は日射しも強く25度を超え、上着を着てしばらく歩いていると汗だくになります。北海道の夏のような感じです。
 
 先週、一気に木々の花が咲き、いつもは砂埃でくすんだ灰色の街路地に、少し彩りがつきました。よく見てみると、ムクゲに似たような花です。色彩があるだけで、少し心が晴れやかになるものなのですね。
 

 週休日の初日で気分も軽いということもあります。おまけに、金曜の午前中なので、礼拝に行く人も多く、普段だと、部屋の中にいてもけたたましく鳴り響く車のクラクションの音も、今日は、珍しくほとんど聞こえてきません。

2017年3月21日火曜日

「母の日」の全校集会

 今日の訪問先は女子中学校です。今日は朝の7時半までに来てくれと言われ、いつも大ざっぱなエジプト時間で動いている人たちがどうしたのか、ホントかよ、と思いながら学校に着くと、授業前に全校集会があるのだということがわかりました。(早口 Arabic についていけなかっただけで、説明があったのかもしれない)

 で、今日3月21日は「母の日」なのだそうです。そして、それを祝う集会だということです。
 
 母への感謝ということで、ひとしきり、母への感謝のことばを、教育長、次長、校長、教務主任(?)、女性教員代表、生徒代表が次々と語り、お祝いソング(と思われる)を教員・生徒代表数名が壇上で披露し、全員がそれに合わせて口ずさんでいました。

 そして、全員ではなかった(子持ちの母親だけかも)と思いますが、女性教職員が一人一人呼ばれ、賞状とプレゼントを渡されていました。拍手あり、歓声あり、笑いありで、それはなかなか盛大で、微笑ましい時間でした。日本にもこういう行事があっても良いかなと、つい思ってしまいました。

 最後に女性リーダー教員が、スローガンのようなことば(行く先々の学校でやっています)を訴え、それを生徒が全員大声で唱和していました。その教員が長々とあまりにノリノリだったので、「もう止めなさいよ」と、隣の教員に背中を突っつかれる一幕もありました。

 そして、締めは国歌斉唱。「ビラーディ、ビラーディ、ビラーアアディ、ラキホッビーイー、ワーフワーアアディ(我が祖国、我が祖国・・・で始まるエジプト国歌です。ここにも、「母なるエジプト」というセリフが出てくるので、今日の国歌斉唱は、一段と熱がこもっていました。
(壇上にあげられていたので、ビデオを撮れなかったのが残念。)

「母の日」の全校集会
بلادي بلادي بلادي
لكِ حبي و فؤادي
بلادي بلادي بلادي
لك حبي و فؤادي

مصر يا أم البلاد
انت غايتي والمراد
وعلى كل العباد
كم لنيلك من اياد

بلادي بلادي بلادي
لكِ حبي و فؤادي
بلادي بلادي بلادي
لك حبي و فؤادي




ビラーディー ビラーディー ビラーディー     
ラキホッビー ワフアーディー
ビラーディー ビラーディー ビラーディー
ラキホッビー ワフアーディー

マスル ヤー オンミル ビラード
アンティ ガーエティー ワルムラード
ワアラー クッリル エバード
カム リニーリック ミン アーヤーディー

ビラーディー ビラーディー ビラーディー
ラキホッビー ワフアーディー
ビラーディー ビラーディー ビラーディー
ラキホッビー ワフアーディー
わが祖国、わが祖国、わが祖国、
わが愛と心は あなたの為にあり
わが祖国、わが祖国、わが祖国、
わが愛と心は あなたの為にあり

エジプト、全ての土地の母、
わが希望、そしてわが大志
全ての人々にもたらされる、
ナイルの比類なき祝福

わが祖国、わが祖国、わが祖国、
わが愛と心は あなたの為にあり
わが祖国、わが祖国、わが祖国、
わが愛と心は あなたの為にあり

2017年3月19日日曜日

エジプト人大学生による東北復興支援コンサート

アスワン大学日本語学科
全体合唱

 「311東北大震災6周年・復興支援コンサート」が市内劇場で開かれました。カイロ大学、アインシャムス大学、アスワン大学、バンハ大学、エジプト科学工科大学、国際交流基金日本語専修カイロ校・アレクサンドリア校、そして、日本大使館、国際交流基金、JICAスタッフ及び日本人関係者が参加しました。

 日本人ですら、もはや風化しかけた存在と見なしたり、意図的にそう見なしたい人がいるというのに、地震や津波のことを知っていて、今も支援したり気にかけていたりしているエジプト人が少なからずいることを、とても有り難く思います。
 正直、歌の完成度はもう1歩という感じでしたが、だからこそ余計に、一生懸命歌っている姿や彼らの純粋な思いに、見ていて胸が熱くなりました。今もなお苦しんでいる被災地の方々に、必ずその思いは伝わることと思います。

 覇権願望とともに歩んできた帝国主義的グローバリゼーションとは異なる、21世紀の人類のあり方を問う真のグローバリゼーションのあるべき姿は、こういう素朴な優しさ(=人を憂う)から広がるのではないでしょうか。それはまさに、passion (受難) から compassion (共感) への架け橋です。
 いい加減、人類はもう十分涙と血を流してきたはずです。対立と敵対を乗り越える知性と感性、そして少しばかりの想像力と包容力を発揮する勇気を!!メロディーとハーモニーに乗せて。