2018年10月8日月曜日

エジプト人教師のポテンシャルの高さ

教え込みを乗り越え、特活スピリットを生かした授業への挑戦

エジプト日本学校の先生たちが,その場の乗りで「特活ソング」,「特活リトミック」を作ってくれました。

幼稚園や小学校では、普段から挨拶や手洗いや努力目標などを加味したリトミック体操を沢山採り入れているお国柄ですが、即興で特活ソングを作って盛り上がるなど、エジプトの先生方の底力と、陽気で楽しむことが上手な人柄が遺憾なく発揮されています。

外面を気にしすぎる日本人にはなかなか真似ができません。素朴で羨ましくもあります。

この乗りで、それぞれの学校の校歌を作ってはどうかなあと思っています。



2018年10月4日木曜日

エジプト教育改革のブレーキと潜在的可能性

女子中高等学校のモーニングライン(朝礼)
エジプトの学校教育は、学力偏重との批判を受けていますが、教科教育に対する考え方も同様です。アラビア語、数学、理科、社会、コンピュータ、宗教、外国語等は教科として実施されていますが、体育、音楽、芸術、農業(日本で言う家庭科)等は、教科には含まれず、アンシェタ(その他の活動)として、学校裁量で実施しています。当然、学校規模により教員定数が限られていますから、そのアンシェタの授業は、実際は教員がいないため開講していない、つまり授業がない、という学校も多くあります。

新学年から、日本式学校の開校、特活の導入、全人教育を掲げた「新教育方針2.0」が実施されることになりましたが、その理念の具体化やカリキュラムへの反映、授業改善はまだこれからです。果たしてどこまで改革が進むのか注目しています。

しかし、日本であれば、新指導要領改訂までに、中教審を始めとした文科省関連会議、公聴会、各種中間機関会議、教育課程委員会、伝達講習会等が実施され、一定程度情報公開と微調整がなされるのですが、エジプト「新教育方針2.0」の概要は、教育大臣の記者会見での口頭説明や、自身のFBの投稿・解説記事で要点や概略を見かけたのみで、まだ正式なパブリックアナウンスはなく、また、そもそも正式通知文書がありません!

従って、現場の教員はおろか、教育委員会の職員ですら、教育改革の中身を知らないという事態が起こっています。(もう新年度が始まっているというのに!!)
とりわけ、新教育方針に基づき、全国全ての公立学校で「ミニ特活」と名付けられた学級会(日本で言うLHR)がカリキュラムに位置づけられることになりましたが、通知・通達や伝達講習会等は極めて不十分で、新学期早々、新1年生のカリキュラムを巡って、現場では戸惑いと混乱が見受けられます。(新教育方針は学年進行で実施のため、今年は小学校1年生のみの改革)

これでは、失礼ながら、教育省は本気で教育改革を実現しようと思っているのか疑問に感じるところも多いのですが、一方で、色々混乱や不満はあるものの、現場の教員は至って真面目で、おおらかで楽天的です。しかも、出たとこ勝負や土壇場の無茶ぶりパフォーマンス能力は、天賦の資質と言って良いほど驚くべき才能で、画一社会で飼い慣らされた日本人には到底真似ができません (^^)。

エジプトの未来のために勉強するよう訴えるイダーラ副所長
組織的で有機的な指導方針と学校運営方針が、現場の意欲ある教員ともっと高いレベルで上手く結びつけば、エジプトの教育改革に向けたポテンシャルはもっともっと高く発揮されるのになあ、とつくづく残念に思います。

「遊びを通した学び」ロールプレイ
旧課程では幼稚園からアラビア語や英語や算数が必修授業として教えられていましたが、新課程、日本式教育では、遊びそのものを通して知・徳・体を習得することを目指します。

新しい先生たちは、意外と即興でオリジナリティー溢れる指導案を発表してくれました。



「遊びを通しての学び」の実践例として、日本人ボランティアで縄跳び遊びの模範演技をしました。数の数え方もそうですが、ルールの理解、順番を守ること、相手を思いやること、協調性、協働の意味について、遊びの中から学びます。

我が強く、協調性の乏しいと言われているエジプト人には大変受け、自分にもやらせろ、と言ってすぐに混ざってきて楽しんでいました。その良いところが上手く生かされると良いですね。 いくら注意しても横入りする教員がいましたけど・・・(^^)/

2018年9月23日日曜日

エジプト日本学校開校

エジプト日本学校を9月23日(日)から予定通り開くので、そのための新任教員研修を行う、ということで休み返上で先週から1週間、研修会が行なわれました。つまり、やっと校長、教員の採用が決まったというわけです。

昨日やっと、促成栽培的ですが、日本式学校教育についてのレクチャーとワークショップが無事終わりホッとしたところです。
と言いつつ、生徒の合否決定は、新教員スタッフによる面接試験を課すことになっているので、合格発表はまだ先の話で、生徒が実際どれだけ集まるのかは不明です。
しかも、生徒の最終的な入学者数次第で、今回採用が決まったはずの教員を増員したり、不採用にしたりするというのですからこれまた凄い話です。

また、2日目の会議の途中、先生方から労働条件と給料の質問が出て、それに対する教育省の回答に納得がいかない、と大騒ぎになり、多数の先生が研修をボイコットし会議が途中流会となってしまいました。

またしても開校が中止になるのではないかという事態となりやや焦りましたが、その日の夜中、急遽、教育副大臣が研修会場を訪れ,先生方の説得に当たり、給与一部改善の提案を行うなどして事態は一応収拾したようです。が、なかなか波乱含みです。

その一触即発の事態は、当日のマスコミにも報道されてしまうほどでした。https://www.elfagr.com/3251612


こういう火事場騒ぎ的な学校の開校が上手くいくわけがないと思うのですが、インシャアッラー、なるようにしかならない、と最近あまり驚かなくなりました。実際やってみて試行錯誤しながら軌道修正していくしかないと思うようになりました。





それは、一見矛盾しているかも知れませんが、教育省に熱く抗議をして研修をボイコットした先生方も、そのほとんどは、エジプト全土から集まった選り抜きの優秀な先生方で、実に熱心で、新しい教育改革に向けた理想や夢に溢れた先生方ばかりだということが、この1週間ばかり生活を共にした中で肌で感じることができたからです。




さて、案の定、まさかとは思いましたが、このような状況で、明日、日本式学校を開校するという大統領声明が発表されました。

The new academic year (2018-2019) of the Egyptian National education system will start next week in the country.

El-Sisi also inaugurated a number of educational projects and new schools in several governorates, including a Japanese school that will adopt the Japanese education system Tokkatsu for the first time in Egypt. 

The Tokkatsu education system focuses on achieving a balanced development of intellect, virtue and body by ensuring academic competence, rich emotions and healthy physical development. 
According to Shawky, who spoke at the event, the Japanese schools in the governorates were ready to launch and that those schools accepted more than 13,000 students across five types of schools.
"The goal of the new educational system is to build a new, different Egyptian generation," Shawky said. 

2018年9月9日日曜日

Egypt-Japan School の開校、またもや延期

エジプト教育省
今週、エジプトに新しい日本式の学校が40数校オープンする予定でしたが、こんな突貫工事じゃ9月上旬開校は無理でしょう・・・と内心思っていました。

案の定、9月下旬に延期、と突然発表されました。
(・・・祝日の振替日を5日前に政府発表で突然変更するお国柄です。)
また、この国の豪腕なところは、ある意味子どものためを思ってなのか、一般の公立学校の新学期もそれに合わせて全国一斉に延期を決めたことです。

開校まであと1ヶ月を切っていた段階で、指導者研修は継続して行ってはいたものの、校長も、教員もまだ決まっていないし、そもそも生徒募集も始まっていないという状況でしたから、延期という知らせは、別に驚きません。むしろ当然だと思っていました。

しかしその決断が、あまりに遅すぎます。
しかも、現状では9月下旬というのも怪しい気がするし、無理があります。と言うのは、相変わらず今日に至ってもまだ校長・教員人事は決まっていないし、生徒募集もまだという状態だからです。これでどうして再来週、新規開設校をオープンできる根拠があるのか、不思議でなりません。

行事やイベントの準備が2日前まで全く進んでいなくても、前日と当日になって、ギリギリ帳尻を合わせる、というエジプト人の姿を何度も見てきているので、その瞬発力や適応能力・調整能力の高さに、普段から大変驚き感心していますが、学校建設とそれを一緒にされてはたまりません。しかも未知のプロジェクトを立ち上げようというのですから、日本人の目から見れば、あまりにも雑な、無計画、無責任な対応に思えます。ハード面の管理、人事、広報等については全て教育省が管理し、日本側は「特別活動に関わる教育内容」以外は一切タッチしないことから、余計イライラが募ります。

右側別館:教育プロジェクトチーム入居
とは言え、あまり責める気になれないのもまた事実です。チームを組んでいるエジプト人指導者たちは、こんな事態に至っても、変わらずとても精力的で、建設的で、なおかつ、とても明るく、非常に楽観的なのです。時間や約束事にめちゃくちゃルーズですが・・・(^^)

シャウキー教育大臣
そして、新しい教育改革を呼びかけ担っている教育大臣は、元カイロ・アメリカン大学の教授で元ユネスコ・カイロ支局長です。実務経験はなく、まだ組織的混乱を上手に制御できていないように見えますが、彼の発するコメントの一つ一つが、非常に理知的で説得力があり、かつOECDやユネスコの教育理念を真正面に掲げた、21世紀の世界基準を新たに切り拓こうとする夢や意志に溢れた理想的でダイナミックもので、聞いていてワクワクするほど楽しくなります。

正直、日本のこの間の歴代文科大臣とは、比較するのも恥ずかしくなるほど魅力的に映ります。

2018年8月31日金曜日

エジプト人の時間の観念


巡回校の校長室(今日は朝からケーキ!)

エジプト人の教育関係者と、打合せや会議や諸行事が、時間を指定されて訪れても、時間通りに始まったことは今まで一度もありません。

赴任当初は、その時間の曖昧さに内心驚いたり少し腹が立ったりしていましたが、彼らの日常行動の全体像が分かるまで、焦らず怒らずじっと我慢の子を貫きました。

勤務先、集合先に着くと、「お茶にするか、コーヒーにするか」と、まず聞かれます。他愛ない話をしながら30分くらいお茶を飲み、その間、入れ替わり立ち替わりお客さんや決裁文書を持った所員が訪れたり、その度にその人たちと挨拶を交わし、結局お茶を飲み終わっても、当日のスケジュール確認の話が始まりません。

しびれを切らし、「そろそろ時間は大丈夫ですか?」と控えめに話を振るのですが、その途端に電話が鳴って長話が始まったり、時々、秘書が、気を利かせてお茶のお代わりと、お菓子やケーキまで運んできたりします。いつも大体30分から1時間遅れて本題が始まります。

一番ひどかったのは、お茶やお菓子をさんざんいただきながらおしゃべりをして、2時間以上待たされたあげく「やることが片付かないので、今日予定していた学校訪問は明日にしよう。明日また来てくれ」という事態になったことです。それも、2~3回ありました。もちろん先方にはその場で電話確認をしていましたが・・・。

学校発表会や授業研究会などもその調子で、当日、こちらは所長室で10分くらい前からそわそわして待っていたのですが、所長が、「サンドイッチ買ってきたから食べてくれ、どれにする?」と、極めてマイペースなふるまい。「終わってからで良い」と言うと、「そうか」と言って秘書と一緒に食べ始め・・・結局、30分ほど遅れて会場に着きました。ところがビックリしたことは、先方の先生方も生徒も、我々が到着するまで、「行事」を始めずにずーっと待っていたのです・・・。日本以上に序列・階級の厳しい社会なので、そのようなマナー?は当然なのかもしれないのでしょうが、やはりそれは失礼ではないか、としばらく落ち着きませんでした。

というわけで、少々のことでは驚かず、ただただ教育現場の状況理解に努めます。そして、気の付いたことを、一方的批判にならないようにコメントし提起するという毎日です。

しかしそれは、EJS (開校予定の日本式学校) の指導教員研修会においても全く同様でした。指導教員だから、また、日本式の学校を作るという目標で集まってきた教員たちなのだから、「意識」が高いはずだと期待していました。
EJS指導者会議

ところが、結局、そのEJS指導者会議でも、今まで、会議が時間通りに始まったことはありません。時間が過ぎても、ある程度全員が集まらないと会議は始めません。その間、皆おしゃべりをしながら待っているのですが、そこに、5人、10人と、教員が30分くらい遅刻して入ってきます。ところが、悪びれた様子は何一つ見せず、堂々と入り口から入ってきて、ニコニコしてなじみの教員に抱きついて、ひとしきり朝の挨拶を交わしたり、なんと、「今日の1枚」という感じで写真を撮ったりまでするという、日本の常識では考えられない現象に驚きます。周りの人も、嫌な顔をしたり、注意したりということもありません。ピリピリしているのは日本人スタッフだけです。

これで日本式の学校運営を彼らは本当に採り入れるつもりがあるのだろうか、と疑問に思うのですが、いざ会議が始まり議論が始まると、途端に熱を帯び、様々な意見が飛び交い、白熱した議論が延々と続きます。

儀礼と上意下達と忖度が支配的な、冷めた日本の予定調和的会議とは全く異なります。若干雑で統制の取れていない会議なのですが、どういう学校作りをするのか皆真剣に語り合っているのがよくわかり、つい、好感を持って成り行きを見入ってしまいます。



EJS研修会
EJS研修会(この日はランチが提供された)

エジプト人の時間の観念について、しばらくは若干違和感というか否定的な感情を抱いていたのですが、最近気づいてきたことは、予定約束時間の前後に、三々五々、友人知人同士、お互いの気持ちや様子、体の調子を確かめ合い、挨拶を交わし、自撮り写真を撮ったり交流する中で徐々にお互いの体温を確かめ合い、全体の輪が広がり、そして、さあ始めましょうか、という機が熟し、いざ時が始まる、




・・・という通過儀礼が目標時間帯に凝縮している、と私は見ています。

何か悠久の、異文化交流、人間関係構築の、哲学的、歴史文化的な深い意味合いを、勝手に感じ取ってしまう今日この頃です。

2018年8月29日水曜日

Egypt-Japan School の開校準備は急ピッチ?!


エジプトに200校の日本式学校を建設するという計画が、教員採用、生徒募集の不透明性を理由に、昨年1年延期になったにも関わらず、エジプト教育省のその後の具体的方策がなかなか定まりません。その後冬休みがあったり、コプトの新年休暇、小学校から高校まで3ヶ月連綿と続く統一試験、その間大統領選挙があったり(シシ大統領再選)、ラマダン休暇があったり、結局、特に進展のないまま、あっと言う間に夏休みに突入しました。



一向に新規開校準備は進まず、なのですが、ついに教育省からゴーサインが出て、9月2日開校に向けて教員研修を7月中旬から実施するということになりました。研修資料・運営要領の作成・協議から始まり、指導者研修、校長研修、一般教員研修と、開校まで日のない中、短期集中決戦です。しかも、休日もぶち抜き研修というエジプトらしからぬ研修計画です。




エジプト人教師は、と言うと、相変わらずエナジティックで、明るく元気で陽気です。みんな一生懸命なんですけどね~。

9月にホントに開校できるの??と疑問が一杯です。





2018年7月13日金曜日

サボテンの実の味

屋台のサボテン売り
道行く人が結構立ち止まって、買っていったり立ち食いしたりする人がいるので、試しに1つ買ってみました。

小さい細い棘が付いているので、オジさんがその場で皮をむいて、小分けに切ってくれるのですが、丸ごと家に持ち帰りました。

第一、手づかみだし、洗わないし、それでお金のやりとりしてるし・・・エジプト人は平気で食べてますが ・・・それに釣られて何度も苦しい目に遭っているので、ここは予防危機管理です(^^)



赤い実のもあるらしいのですが、中は薄黄色でした。味はドラゴンフルーツに似てるという人もいますが、気の抜けたパイナップルとキウイと、そしてアロエを足して割ったような食感と味です。甘過ぎずほのかな味わいで、くどくなくて良いかもしれません。ただ、種が結構大きくて堅く、たくさん入っているのが、やや食べにくいです。