人も車も走っているけど、確かにいつもより少ない金曜の午前中 |
ところが、一番近いスーパーは、玄関ドアは開いているのに、入れてくれません。どうしてだと聞くと、今日は12時過ぎ開店だ、というのです。まあ、仕方ないので、次に近いスーパーに行きました。するとそこは、そもそもシャッターが閉まっていました。
その日は金曜日で、イスラム教徒は朝から礼拝だということはもちろん知っていたのですが、スーパーくらいは交代制でやっているだろうと思ったのが間違いでした。
仕方が無いので、少し離れていますが、イスラム教徒ばかりじゃないんだし、大型スーパーならやっているだろうと思って、そこまで足を伸ばしました。すると、入り口は開いていて、店の中はよく見えるのですが、中にもレジにも、人っ子一人いません。おいおいと思って辺りを見回したら、付設ファストフードコーナーのところに大勢の従業員がいて、メッカ方向に向かってやはりお祈りしているではないですか。
これは邪魔してはいけないなと思い、諦めて、そ~っと入り口から出ました。
ちょっと、当てが外れて暇になったので、プ~ラプラ、来た道を戻って歩いていたら、「また遇いましたね」と言って、あるエジプト人から声をかけられました。職場に向かう途中、「どこから来た」「日本人か」「この辺のホテルに泊まってるのか」などと、朝声をかけられたことのある人です。その日で偶然3回目です。
その日は、いかにも暇そうに見えたのか、「自分は実は画家だ。すぐそばで展示しているから見にこないか?」と言われ、真っ昼間だし近所だし、何回も遇ってる人だし「まあいっか」という感じで付いていきました。
ところが全然近くない。「やっぱり止める」-「イヤもうすぐだ」を2度3度、結局5分以上歩かされ着いたところは、パピルスの画廊販売店でした。
こんな街中にもあるんですね。店の中に2人別の客もいたのでやや安心し、「しゃあない少し見ていくか」ということでチラチラ眺めていると、「今日は良い日だ、自分の結婚記念日なんだ、だからお祝いに好きなもの1枚プレゼントする」、とくるではありませんか。怪しいですねえ。
「イヤ結構」-「どれが一番良いと思う」-「買う気は無いよ」-「いやプレゼントだから」、と攻防戦を繰り広げる中、結構出来映えのよい図柄のものに、一瞬目をとめた途端、「よし、それにしよう」と言って、すぐさま包み始めました。「買う気は無いよと言ったでしょう?」-「プレゼントだから」-「だって売りものでしょう?」-「友だちだから安くしておく」・・・ほら来た。
結局落ち着かないので、「また暇なときに来るから」と言ってその店を後にしました。ところで、意外と出来がよいと思ったその図柄のパピルスは、A4サイズで80ポンド(約500円ちょっと)ですので、安くはないけど決して高くはありません。ピラミッド周辺のパピルス販売店やお土産屋だと、最低でも200ポンドから500ポンド以上はとられるでしょう。バナナの皮でもなく、謄写版でもなさそうでしたから。
でも、せき立てられるようにして買い物を迫られると、全く買う気が無くなるんですよね。その辺もう少しエジプトの商売人は研究した方がよいと思うのですが、これもまた民族性ですかね。
ギザ郊外のパピルス工房の一般価格 |
画家のサインが右下に書かれている |
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