裏通りに延々と続くスーク、露店市場
4月になって、いつの間にか、いろいろなものが値上がりしています。地下鉄は一気に2倍(と言っても今まで1ポンドと極端に安かった)、バスが1.5倍(同じく前は1ポンド)。日常の農産物はまだ表立った値上げはないですが、加工品や輸入品は軒並み値上げです。甘党なエジプト人の必需品である砂糖は1.4倍、そして、先日の大規模反政府デモのきっかけとなった、小麦粉の政府補助金(40%)カット法案による大幅値上げ。
平均物価上昇率は3月前年度比1.3倍、「アラブの春」以降(2011)との比較では2.0倍だそうです。また、政情不安やテロのあおりを受けて観光収入や他のアラブ地域への出稼ぎ労働者の収入が激減し、国家経常収支は大幅赤字となっています。
エジプト政府は当面の措置として、IMFからの多額な借金120億ドルの貸与を受けましたが、それと引き替えに、変動為替相場制へ移行することになり、貨幣価値は一気に半値(昨年11月時点で1ポンド12円から、現在6円まで下落)となり、さらに、小麦を始め、エネルギーなどの国内補助金カットを強いられることになりました。(エネルギーは40~80%アップ)
野菜や果物、米などは国内自給自足でまだ安いですが、というより日本と比べたら破格の値段ですが(イチゴ1kg100円弱、バナナ1房70~80円、トマト1kg100円弱、米1kg60円・・・)、加工品は比較的高く、日本のバーゲン並の値段です(100%ジュース130円、ヨーグルト・牛乳100円・・・)。逆に、輸入食品は日本より高いです(フルーツ・グラノーラ500円、100%グレープフルーツジュース350円・・・)。
肉や魚はやや高めです(1kg600~1000円)。特にエビが10匹くらいで700円というのはエジプトにしてはかなり高い値段ですが、日本との流通販路の違いでしょう。
とりわけ主食のパンの材料となる小麦粉の値上げは、庶民にとって相当の痛手です。 先日の反政府デモの中で、「私は同胞団ではない。腹が減っている」と書かれたプラカードが話題になったそうですが、フランス革命においてもロシア革命においても、その導火線となったのは、庶民の「パン寄こせデモ」でした。
庶民の生活実態と声に耳を傾けながら、民衆の生活の安定と、治安の回復が速やかに達成されることを期待します。
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