近所のお得意のスーパーのひとつ |
しかし、店によって商品が微妙に異なり、1回の買い物で1つの店で全部用を足せないことも多く、何回か小分けで買い物をする羽目になります。
エジプトの水道は石灰分が多く雑菌処理も不徹底ということで、衛生管理者から、日本人は飲料としては控えた方が良い、と言われています。従って、飲料用と料理用に、大量の水、つまりミネラルウオーターを購入しています。ミネラルウォーターというくらいですから当然鉱物は含んでいるのですが、エジプトで市販されているミネラルウォーターの硬度はかなり高いものが多いです。
ここの店は、エジプトでは珍しく、軟水を売っているので、軟水・硬水、7:3位の割合で、水は定期的にここから購入しています。でも、ここのスーパーは、野菜や果物の鮮度はあまり良いとは言えません。また、鮮魚は取り扱ってません。その代わり、チーズ・乳製品、乾物、穀物の種類は比較的豊富です。
この店の良いところは、何より、商品の値札がしっかり表示されているので、とても楽で、安心です。店によっては値札が無かったり、値札と商品の位置がバラバラに置いてあったり、昔の値札のまま(ホント大ざっぱ)だっりする店があるのです。ホントいちいち疲れます。
更に珍しいなと思うのは、ちゃんとお釣りをくれるところです。たいていの店は、1ポンド以下は四捨五入されて、小銭は戻ってこない(納得いかないが諦めていた)のですが、ここは、50ピアストル、25ピアストルと、きちんと返してくれるのです。少し日本っぽいです。マイクロバスの運賃が1ポンド50ピアストルですから、やっぱり貴重なことです。
というわけで、ここはきっちりしている店だなあと思って好感を持っていたのですが、この日、あるちょっとした出来事がありました。
いつもは2箇所あるレジが、担当者がいないため、1つのレジで対応していました。そんなに込んでいるわけではない時間帯でしたが、それでもやはり私を含め7~8人の買い物客が並んでいました。日本だったら、レジが込んできたら、すぐに店内放送でレジ係を増員するところですが、ここはエジプトです。
で、私の会計の番になったところ、横からバンッと品物をレジカウンターにおいて横入りする男の客がいたのです。その人は、その直前、同じように隣のレジに品物を置いて、「オイッ、ここレジ係いないのか~!」と叫んでいました。そして、私がちょうどカウンターに買い物かごを乗せようとした瞬間、サッと、こちらのレジに横入りしてきたのです。
すると、若い女性のレジ係が、「ダメ、後!」と言って取り合いませんでした。その男は、「こっちのレジで待ってたのに、(係が)誰も来なかったんだ。早くしろ!」と訳の分からないことを言って吠え立てました。若い女性は、「こっちでみんな並んで待っているんだから、こっちの後ろに並んでください!」、と毅然として拒否しました。取り合おうとせず淡々とした表情でいるレジの女性を前にして、その男は、さらにギャーギャー悪態をつきながらも、結局、品物を抱えて後ろに戻りました。なかなかやるじゃないですか。
「どうも、シュクラン」と言って買い物かごをカウンターにあげると、その女性はニコッと笑ってレジを打ち始めました。仏頂面の店員が多いエジプトの販売サービス業の中にあって、好感度一気に上昇です。
そして、商品はいつも店側が袋に入れてくれるのですが、ちょっとかさばって袋に入れづらそうだったので、袋の端を押さえて持ってあげたところ、「あなたは日本人ですか?」と聞いてきました。「そうだ」と答えると、「シュクランのことを日本語では何と言うんですか?」と聞いてきました。「ありがとう、だよ」と答えると、何度も「ありがとう、ありがとう」と日本語で繰り返しながら、商品を袋に入れていました。
有り難かったのは、こちらの方です。乾燥した砂っぽいエジプト生活の中で、久々心温まる出来事でした。
こうして、その店員さんの、お店の、そしてエジプトの好感度が上がっていくのですから、人間って結局は単純なんですよね。
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