2017年5月18日木曜日

カイロ大学日本語学科

外国語学部棟から臨む中庭

カイロ大学日本語学科は第4次中東戦争直後のオイルショックに端を発し、当時は「油乞い外交」と皮肉られましたが、日本との文化経済協力の中で生まれたそうです。その時の日本政府特使は故三木武夫副総理(当時)です。サウジアラビア、シリア、イラクにも日本語学科がその後誕生していますが、現在も、日本語教育という点では、カイロ大学はアラブ世界の中心的役割を担っています。

既に創立40数年が経ち、校舎設備もかなり老朽化しています。日本語関連図書も、相当の年代物の書籍が陳列されていました。しかし、近年は、学生たちの日本語学習熱が盛んで、英語学科を受験する学生よりも倍率が高い年もあるそうです。

学生たちが日本語を学ぶ動機は、時代を反映し、創立当初は日本の経済発展に対する関心が高かったそうです。その後、NHKドラマの「おしん」の影響で、日本文化への関心が高まり、サッカー漫画「キャプテン翼」(エジプトでは「キャプテン・マージド)の登場で一気に日本語熱に火が付いたそうです。大学生が集団でそのアニメソングを熱唱するくらいですから。
そして、「魔女の宅急便」や「セーラームーン」を始め、続々とアニメや漫画、ポップカルチャー、「KAWAII文化」が導入されたそうです。

就職難の現在は、観光産業や通訳として、日本語を選択する生徒が増えているそうです。大学の先生は、実用面だけではなく、学問として、日本の文化や歴史についてもしっかり学んで欲しい、と語っています。教員の給料が低すぎるので、日本語教師を最初から志望する人は少ないとも。

ところで、大学の授業ですが、この日は試験日だったようで、1階から4階にかけて、みんなテストを受けていました。 何せ学生数何万人という大学ですから、学生数はもともと多いと分かったはいましたが、廊下にはみ出して試験を受けているとまでは思いませんでした。ちょっと可哀想な気が。

大学生も本日試験中 (しかし廊下で!)

0 件のコメント:

コメントを投稿