アイン・シャムス大学外国語学部 |
国立大の中ではカイロ、アレクサンドリアに次ぐ国内3番目の大学として誕生しています。法律、経済、商業、情報、環境、教育、幼教、外国語、農業、工学、薬学、歯学を抱えるマンモス校で、学生数は10万人を超えるそうです。1万人ではありません。エジプトの大学は、大体1つの大学が10万人前後ということで、キャンパスの中の人口密度は大変なもので、駅の雑踏を歩いているような気分でした。所々にコーヒーショップや売店があったり、ゴミが散乱しているそこかしこの(やはりここはエジプト)廊下や階段で、女子学生なども「地ベタリアン」でお菓子を食べていたり、携帯をいじっていたりしています。
そんな状態だと、10万人もいるというし、先入観として、大学生の粗製濫造のような気がしていました。
日本語学科の授業 |
大学生だというのに(これこそ粗製濫造の日本の大学に毒された日本人の偏見か?)元気よく手を挙げて答えたり、発音練習では、気持ちよい位、全員が大きな声で一斉にコーラスリーディング。これじゃあ、すぐ日本は負けるわ、と思いましたね。もちろん勝ち負けの問題じゃないけど。
その後、グループワークでコミュニケーション活動のお手伝いをしたのですが、質問する際にはとても礼儀正しく、恥ずかしそうに、でも一生懸命伝えようとする姿勢に好感が持てました。
ところどころ発音矯正もしてあげたのですが、例えば「よこばりなこと」ということばがピンとこなかったので、「欲張り」のことですかと聞くと、当たりでした。アラビア語には「え」と「お」の母音がないので、「い」と「え」、「う」と「お」の発音は流動化するのです。少しアラビア語の知識があったおかげで、エジプト人の間違った発音の日本語が理解できた、というのがとても嬉しく、貴重で楽しい経験でした。
授業が終わったら、早速写真タイム。ホントにエジプト人は写真を撮るのが大好きです。学生たちも一気にはじけて、子どもっぽいハシャギようでした。
でも、何か素直で明るく元気で、しかも授業中は真剣で意欲的。学生時代、どちらかと言うと斜に構えて白けていた私としては、大変心洗われる大学の授業でした。小・中・高・大と、学問内容が深まるにつれて、その真剣さが鋭く、熟慮に深みや味が出る、というのが本来の学びの姿であることを、久しぶりに思い出し、遭遇できたことに感謝です。今日出会ったアインシャムス大の学生たちが、エジプトの、そして、21世紀の未来を切り拓く大きな力になることを期待し、応援します。
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