2017年3月15日水曜日

心洗われる経験 ー 大学生が勉強に一番熱心!

アイン・シャムス大学外国語学部
 本日は、大学の授業見学、兼、日本語授業のお手伝いに行ってきました。アイン・シャムス(アラビア語で「太陽の目」)大学ですが、1952年ナセル・ナギブ等の自由将校団による革命以降、大学名はエジプトの歴史や史跡にまつわる名をつけるようになったのだそうです。1950年設立時は、イブラヒム・パシャ大学、革命後、1954年いったんヘリオポリス(ギリシャ語で、「太陽の町」)大学に変更しましたが、ギリシャ語ではなくアラビア語でということで、すぐに現在のアインシャムスに変更し直したとのことです。
 
 国立大の中ではカイロ、アレクサンドリアに次ぐ国内3番目の大学として誕生しています。法律、経済、商業、情報、環境、教育、幼教、外国語、農業、工学、薬学、歯学を抱えるマンモス校で、学生数は10万人を超えるそうです。1万人ではありません。エジプトの大学は、大体1つの大学が10万人前後ということで、キャンパスの中の人口密度は大変なもので、駅の雑踏を歩いているような気分でした。所々にコーヒーショップや売店があったり、ゴミが散乱しているそこかしこの(やはりここはエジプト)廊下や階段で、女子学生なども「地ベタリアン」でお菓子を食べていたり、携帯をいじっていたりしています。

 そんな状態だと、10万人もいるというし、先入観として、大学生の粗製濫造のような気がしていました。

日本語学科の授業
で、授業の教室に入ったのですが、学生達のなんと礼儀正しいこと、入った途端にきちんと挨拶されて、(考えたら当たり前か)、授業が始まると、学生の表情も一気に真剣で、また、教員の指示や発問に対しても、とても反応が良く、明るく元気で、そして楽しそうでした。
  大学生だというのに(これこそ粗製濫造の日本の大学に毒された日本人の偏見か?)元気よく手を挙げて答えたり、発音練習では、気持ちよい位、全員が大きな声で一斉にコーラスリーディング。これじゃあ、すぐ日本は負けるわ、と思いましたね。もちろん勝ち負けの問題じゃないけど。

 
 その後、グループワークでコミュニケーション活動のお手伝いをしたのですが、質問する際にはとても礼儀正しく、恥ずかしそうに、でも一生懸命伝えようとする姿勢に好感が持てました。

 ところどころ発音矯正もしてあげたのですが、例えば「よこばりなこと」ということばがピンとこなかったので、「欲張り」のことですかと聞くと、当たりでした。アラビア語には「え」と「お」の母音がないので、「い」と「え」、「う」と「お」の発音は流動化するのです。少しアラビア語の知識があったおかげで、エジプト人の間違った発音の日本語が理解できた、というのがとても嬉しく、貴重で楽しい経験でした。
 
 授業が終わったら、早速写真タイム。ホントにエジプト人は写真を撮るのが大好きです。学生たちも一気にはじけて、子どもっぽいハシャギようでした。

 でも、何か素直で明るく元気で、しかも授業中は真剣で意欲的。学生時代、どちらかと言うと斜に構えて白けていた私としては、大変心洗われる大学の授業でした。小・中・高・大と、学問内容が深まるにつれて、その真剣さが鋭く、熟慮に深みや味が出る、というのが本来の学びの姿であることを、久しぶりに思い出し、遭遇できたことに感謝です。今日出会ったアインシャムス大の学生たちが、エジプトの、そして、21世紀の未来を切り拓く大きな力になることを期待し、応援します。

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