2017年3月3日金曜日

続・ぼったくり精神と庶民のマナーの共存

 ぼったくりではないのか、騙されてるのではないのか、という不安や猜疑心を持って日々生活するのは少々疲れます。精神衛生上良くありません。健全な望ましい社会とは言えないですね。というか、それだけ日本人が比較的、普段あまり警戒心を持たずに生活を享受している証です。
 まあ、日本だってその警戒心の無さや善意を悪用した犯罪が時々発生しますから、要は、何事も自己管理と、周囲によく目を配り、犯罪を誘発させるような不用意な言動は慎むということでしょうね。

奥に見えるのが市内バス、ミニバス
一般乗用車と区別が付きにくいタクシー
最近ある程度現地の地理感覚がわかってきたので、少しずつ交通機関に慣れてきました。当初は、「ぼったくり」タクシーの運ちゃんに1勝3敗2引き分けという感じでした。道を知らないことを良いことに、或いは日本人とみてか、気を抜いていると、わざと遠回りをします。また、メーターが付いていなかったり、メーター(改造メーター)が不自然な上がり方をする車にも乗ってしまいました。初乗りは4ポンド(約30円)、4kmほどで約10ポンド(約70円)です。ぐるぐる回られて20ポンド(約150円)と言われ、いつも(自宅から事務所まで)10ポンドで着く、とやり合ったのですが、早口Arabicでまくし立てられて、「まあ50円位の差だからもうイイや」と、初回は負けてしまいました。2回目も似たような展開になり、だったら降りると言ったら、中を取って15ポンドになりました。2度あることは3度あり、今度は少し学習して、いったん降りてから、「あんた(アラビア語でアンタ、エジプトではインタ)が遠回りしたから悪い、いつも10ポンドだ!!シュクラン(ありがとう)!!」と窓越しで大きく強気で言って10ポンド札を渡すと、運ちゃん黙って引き下がりました。疲れる~っ!!・・・でもちょっと危険だよな、と反省し、それからは、メーターのない車は事前交渉、怪しげな改造メーターに気づいたらその時点で即抗議して値段交渉することにしました。でもやっぱり疲れるよな~。

マイクロバス、いわゆる白タク
ミニバスやマイクロバスはよく乗り方がわからなかったのですが、せいぜい1ポンドか2ポンドだというので、思い切って乗ってみました。乗り降り自由です。と言っても、降りるところをしっかり見定めておかなければ、降りるに降りられません。結果、 いつも通る道なら、結構便利だとわかりました。ただ、ライトバンに10人位ぎゅうぎゅう詰めですから乗り心地は良くないし、乗り降りも大変です。ただ、ここで感動したことがありました。お金はどうするのだと聞くと、前の人に渡すのだというのです。ちょっと心配しましたが・・・、後は、「ここで降りる」.と言うだけです。そして、後から乗った人が、1ポンド硬貨がないらしく10ポンド紙幣を前の人に渡しました。3~4人の人を介して運転手まで届き、そしてまた、ちゃんと9ポンドが順繰りに手渡しで戻ってきました。ちょっと感動!後で現地の人に聞くと、運転手も乗客も誰もごまかしたりする人はいないというのです。そういう暗黙のルールみたいなものがあるというのです。だったらタクシーや観光地のぼったくりは何なんだ、と思いましたが、慎ましく生活している庶民の助け合いや信頼関係の一端、そして本来のイスラムの精神を見た思いがして、少し心が暖かくなりました。ついでに、その現地の人に、タクシーの運ちゃんの話をしたところ、「彼らも可哀想なんだ、生きるのに必死で。特に最近、大学を出たって仕事がなく(失業率13%、日本3%)、そんな大学生が大量に、白タクをやったり、タクシーの運転手に流れている。ますますタクシー業界は生存競争が激しいんだ。」というのです。その話を聞いて、ちょっとタクシーの運ちゃんに同情してしまいました。交通機関はどう見ても、タクシーも含めて日本の10分の1以下の運賃。基本料金を多少上げてでも、きちんとメーター取り付けて適正運賃を請求した方が、お客も運ちゃんも心が晴れると思うんですけどね。

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