2017年3月4日土曜日

急がれる地下鉄網の整備

人口約1000万人を抱えるカイロの交通渋滞は深刻です。けたたましくクラクションを鳴らしながら、隙間があれば少しでも我先にと、狭い道路を押し合いへし合い進みます。どの車も接触ギリギリです。普段の大ざっぱなエジプト人らしからぬ精緻な車幅感覚には、感心してしまいます。

 さらにその車の中を縫うように、人が横断します。というか、信号機がほとんどないので車道を横断するしかありません。子どもも、お爺さんもお婆さんもです。メインストリートになると車はビュンビュン飛ばしてきますから、そこを横切るのは至難の業です。私も何とか渡れるようになりましたが、一瞬気が緩むと、車が突っ込んできますから、その間合いには一瞬力の入った決断と気合いが必要です。夜は結構無灯火の車やバイクが紛れて走ってきますから、かなり危険です。これでよく交通事故が起こらないなと不思議に思います。

地下鉄ギザ・ドッキ駅ホーム
都心部の慢性的交通渋滞を解消するために、地下鉄網の整備は不可欠です。JICAの支援のもと、新しい建設工事が進行中とのことですが、なかなか遅々として進まずという感じです。空港までのルートや、ギザ・ピラミッド群までのルートなど、観光・経済発展にとっても重要な延伸ルートはかなり昔から計画されていました(今年で地下鉄開業30年)。現地の人に聞くと、高級住宅街ザマレク地区に地下鉄を通すと、「下層階級」が流れ込んでくるのを嫌がっている人がいるとのことでした。住民説明会のようなものはやっているのでしょうか。タクシー業界の反応はどうなのでしょうか。もう少し様子を見てみます。
 
 地下鉄の現在の一日の平均輸送人数は300万人弱あるといいますから(東京は700万人弱)、渋滞解消の一定の役割は果たしているのでしょうが、都心部の交通量はもう完全にパンク状態です。早急に何らかの手を打たなければならないのは明らかです。駐車場不足で、路上2重縦列駐車が至る所に見られるのも、渋滞の原因になっています。

       [左2列と右1列が路上駐車]

(余談)
電車の中で、何かジロジロ見られてるなあ、やっぱり日本人珍しいんだろうなあ、それにしても女の人しか乗ってないなあ・・・と思っていたら、真ん中の2両は女性専用車であることがわかりました。降りた後でホームの天井に “Ladies (only)” と案内板がぶら下がっているのを発見!!さすがイスラムの国。

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